【開催報告】COC+事業  紀の国大学3校は、御坊市で、まちづくりについて考える「まち活ゼミナール」を実施しました。

今回参加者(集合写真)

■ 事業概要

 2018年9月24日(月・祝)、御坊市でCOC+事業の一環として、和歌山大学、和歌山工業高等専門学校、大阪市立大学、及び御坊市が共同で、紀の国大学の4つの教育テーマ「命と生活のインフラ」である「まちづくり」への理解を深めるため、紀の国大学連携事業として“まち活ゼミナール”を実施しました。  

■ 骨子
 わかやまの未来を切り拓く若者を育む“紀の国大学”の構築というテーマのもと、各校の学生、教職員及び御坊市職員らが参加し、「防災」、「観光」、「歴史」の3つのテーマで御坊市の主要スポットを巡るまち歩きを行い、その後テーマ毎に課題解決のファシリテーションスキルを学びながらの活発な交流を伴ったワークショップを行いました。参加者がそれぞれの立場で、テーマに沿い、いろんなアイディアを出し、企画内容をポスターとして見える化することで、各テーマの内容を共有しました。
  今回の“まち活ゼミナール”は、学生にとっては課題を見出し、それを解決する手法を学ぶ機会となり、御坊市にとってはアイディアを反映させていく素材として、今後の地域活性化につなげていく活動の一端となりました。

■ 活動内容

    オリエンテーションで受講中の様子

  平成28年度から御坊市をフィールドとした「コミュニティ防災」をテーマに活動してきました。今年度は、まちの活性化も含め、テーマを広げ、まち歩きとワークショップを充実させて取組みました。紀の国大学参加校にも開放し、今回、紀の国大学3校(和歌山大学、和歌山工業高等専門学校、大阪市立大学)の教職員及び学生(21名)と御坊市職員(8名)合計29名が参加し、以下3つのテーマについて、オリエンテーションでグループ分けをした後、まち歩きとワークショップを組み合わせたゼミナールを実施しました。

[ 各テーマのアウトプット目標]
(1) 「防災」:“若い人たちや防災に関心がない人たちも参加したくなるような防災訓練を考える”
(2) 「観光」:“10年後の御坊市を見据えた地域おこしのアイディアを提案する”
(3) 「歴史」:“御坊市にゆかりがあり1964年の東京オリンピックを招致した和田勇を取り上げ、大河ドラマのワンシーンを作る”

【まち歩き】
① 「防災」チームは、御坊市の防災の課題と対策を学ぶスポットとして、木造住宅が密集する場所、狭隘道路、水害の伝承碑、津波避難タワー、水害の記録が残る天性寺を見て歩きました。
② 「観光」チームは、日本一短い紀州鉄道の西御坊駅のほか、堀河屋野村、日高別院、有田屋、旧中川邸など新旧混在したまちの魅力を発見しました。
③ 「歴史」チームは、“歴史ロマンが息づく街並み”と言われる紀州・御坊の寺内町界隈を散策するとともに、御坊寺内町会館で東京オリンピックを呼んだ男と言われるフレッドイサムこと和田勇の生きざまを館長から聞き学びました。

  [まち歩きの様子]

   (防災)茶免橋での説明の様子
 (防災)津波避難タワー前で説明の様子
 (観光)御坊寺内町界隈での説明の様子
観光)旧中川邸での説明の様子
 (歴史)御坊寺内町界隈でまち歩きの様子
 (歴史) 小竹八幡神社での説明の様子

【ワークショップ】
(1) 「防災」チームは2チームに分かれ、それぞれ逆発想の手法も採り入れつつ、グループ間交流も織り交ぜながら、2つの企画を立案しました。
「ボウサイクル」:防災とリサイクルを組み合わせたもので、日常利用するスーパーマーケットでの買い物客を対象にします。防災週間や休日に開催し、子供の絵本やおもちゃなどの物々交換、防災ワークショップやクイズを行います。あわせて消費期限の近い備蓄品とスーパーのクーポン券を配布することを通じ、防災とリサイクルに対する意識をともに高める催しとして企画するものです。
「防災チャレキャン」:防災チャレンジキャンプの略で、小中学生の家庭をターゲットに、近くのキャンプ場で、非常食を使ったクッキング「カンパンクッキング」やテント張り、自家発電、簡易トイレ体験、火おこし体験など、自ら体験する防災生活を学ぶイベントを立案しました。

(2) 「観光」チームも2チームに分かれ、できるだけ多くのアイディアを出す手法を活用し、観光プロデュースすることを目標にブレーンストーミングを行いながら企画立案しました。
「ときめく紀州の小京都」:御坊市には、京都のような古い町並みや町屋が残されていることから、これらを歴史ロマンと合わせ観光資源として活用するという案、富くじで建て替えられた日高別院を金運のパワースポットとしてPRすることや、また紀州鉄道の廃線跡を健康スポーツ施設として活用する企画が立案されました。
「紀州鉄道と古民家活用」:紀州鉄道の廃線をカフェ、トロッコ、健康ウォーク、アートなどの交流・憩いの場として活用する案や、駅舎を住民らが自らアートで装飾したり、改修することで愛着をもってもらう案のほか、電車内をバーにして憩いの空間として活用するなどの案が企画されました。また古民家活用として、みそ、醤油づくりの体験や、御坊市は麻雀パイでは生産量日本一を誇ることから、麻雀を体験できる民泊としての古民家の活用や、幅広い世代が交流できる古民家カフェとしてインスタ映えするスポットの設置、地元が舞台のアニメ「AIR」鑑賞会などが企画が立案されました。

(3) 「歴史」チーム:1チームに纏め、現在と過去のあるものないものを四象限で分類し、アイディアを出す手法を活用しました。学生たちが歴史ロマン溢れる御坊寺内町界隈のまち歩きで見たスポットを題材として、和田勇が小竹八幡神社で祭りの楽しみを覚えたり、まちで出会った廻船問屋のお兄さんの話を思い出し帰国後青果業を営むなど、主人公の生い立ちのシーンを創造し、紙芝居を作成しました。

 

【発表会と講評】
 学生たちが防災(2チーム)、観光(2チーム)、歴史(1チーム)のテーマごとに、自分たちで立案した企画を発表し、その後、質疑応答も交えた活発な意見交換が行われ、とりまとめた内容を共有しました。
 各先生方からは、「これまで御坊市をフィールドとして「コミュニティ防災」をテーマに活動してきましたが、より発展的に地域へ浸透させるため、今回、あえて観光、歴史のテーマを追加し、地域の良さを再発見しながらひと、まちを守り、活性するための活動として今回はチャレンジした」ことの説明がありました。
また、「学生、御坊市職員の方が真摯に学修され、実現可能性がある企画案が創造され、たいへん意義のあるゼミナールであった」との講評をいただきました。

[発表会の様子]

[各校の教員、御坊市、職員から講評・挨拶の様子]

■ 今後の展開
 今回、テーマを広げ、ファシリテーションスキルを学びながら目標設定を明確にしたことにより、まちの活性化のための多くの興味深い企画が立案されました。地元の御坊市と連携をとりつつ、可能なものから実現し、ケースモデルとして提示できればと考えています。今後も、紀の国大学というキャンパス内で学生同士の交流を図りながら、行政の方など地域と共に学ぶ教育プログラムを展開していきたいと考えます。

■ 学生/地域の方の意見
 「普段接する機会が少ない御坊市職員の方の生の声が聴け、とても貴重な体験をすることができました。」、「観光、歴史など御坊市には地域資源が多く、それぞれが深いことに感動しました。」、「紀州鉄道を中心に磨いていけば光ってくると思います。」、「ワークショップの仕方を学べたことはこれから課題解決の手法として、新鮮でとても嬉しかったです。」などの意見がありました。
 御坊市職員の方からは、「御坊市の良さを改めて知り、とても勇気をもらった。より一層、ひと、まちを守る意義を感じた。御坊市では、100万人の人が1回訪れるより、1万人の人が100回訪れていただくようなまちづくりに取り組んでいるので、今回のまち歩き、ワークショップから出されたいろんな企画をできるところから実践していきたい。」との意見をいただきました。

 

■ 問い合わせ先
  地域連携センター
  
06-6605-2068