【開催報告】生き残れ!植物たちの多様な繁殖戦略 講演会(大阪市立大学・大阪市博物館協会 包括連携協定企画)

公立大学法人大阪市立大学・公益財団法人大阪市博物館協会
包括連携協定企画
生き残れ!植物たちの多様な繁殖戦略 講演会


◆開催日:2018年11月10日(土)13:00-16:00
◆参加者:149名

大阪市立大学と大阪市博物館協会は、2011年に包括連携協定を締結し、以後教育・研究・社会貢献と様々な連携を行っております。本講演会は、自然史博物館学芸員並びに大阪市立大学教員・大学院生らによる研究成果発表の場として、大阪歴史博物館講堂にて「植物」をテーマとした4つの発表を行いました。

「多士済々!植物の多様な性と巧妙な繁殖戦略」/名波哲(大阪市立大学大学院理学研究科 准教授)

植物の性は多様です。「おしべ」と「めしべ」を持つ花をつける普通の植物から、動物のように雄と雌がある植物、途中で性が変わる「性転換」する植物まであります。この発表では、動物と違って自ら動くことができない植物が、多様様な性をうまく利用して巧妙な繁殖戦略を行っていることが解説されました。

 

「かわる花のカタチ」/長谷川匡弘(大阪市立自然史博物館 学芸員)

野山に咲く花はいろいろな形・色をしていますが、どうしてこんなに多様な花ができたのでしょう?この疑問は多くの生態学者を悩ませてきました。今回は日本全国に見られる「ママコナ」という植物の種類と分布、花粉媒介者であるホウジャクを巧みに利用する様子、DNA解析から進化過程について迫りました。

 

「雄雌のある植物のふしぎ ~進化とかしこい生き方について~」/大矢樹(大阪市立大学大学院理学研究科後期博士課程、 日本学術振興会特別研究員)

植物にも、動物のように雄と雌のある種があります。おしべとめしべの両方を持つ両性植物が一般的ですが、数少ない雌雄異株植物は繁殖しにくいのに、なぜ絶滅しないのでしょうか。①熱帯や島に多く育ち②小さくシンプルな花を持つ③動物により種子散布がされやすい④樹木が多く寿命が長いので繁殖機会が多い、など受精の不利を補う特性について解説がされました。

 

「最強!? セイヨウタンポポの繁殖戦略」/伊東明(大阪市立大学大学院理学研究科 教授)

身近な外来植物セイヨウタンポポは単独で子供をつくる無性生殖で繁殖します。でも、まれに有性生殖でタネをつくることがあります。有性生殖・無性生殖ともに利点と欠点があり、これらの遺伝子を組み合わせることにより、双方の良い点をあわせもった、ある意味最強の遺伝子戦略による雑種タンポポが増えつつあります。5年に1回実施される「タンポポ調査・西日本2020」の予告もあり、さらなる進化の解明が期待される発表となりました。