2015年3月28日(土)に、〈第10回〉住むコト講座『皆で考えよう暮らしの“防災力”』が、グランフロント大阪北館4階ナレッジシアターで開催されました。

最初に、今回のイベントを主催する積水ハウス株式会社総合住宅研究所の石井所長より、【住ムフムラボ】の紹介がありました。

0328-sumufumu-1続いて、TVの天気予報でお馴染みの気象予報士で、防災士の資格もお持ちの正木明さんより、「暮らしの中の防災アドバイス」と題しての基調講演がありました。近年、地震や集中豪雨、火山噴火等の自然災害が多発しているが、天気予報の進歩により、気象災害だけは予防可能であることや、自分の身は自分で守る「自助」と、地域は地域のみんなで守る「共助」について、昨年8月の広島土砂災害の事例も交えて説明されました。また津波の時などは、家族を心配し助けに行くのではなく、先ず自分の身の安全を確保することが重要で、それに備えて普段から家族の行動を話し合っておく必要があるという考え方も説明されました。 ●写真(右):基調講演される正木明氏

次に、大阪市立大学都市健康・スポーツ研究センター所長の渡辺一志教授より、本年3月1日に大阪市立大学杉本キャンパス内に開設された「都市防災教育研究センター」の紹介に続き、「防災と体力」と題して、災害時の避難に必要な筋力や体力について説明がありました。筋肉には種々な形状が存在し、構造も異なり、それによる特徴も様々であることが説明され、また、災害時に安全な場所へ避難する場合には、自分自身、あるいは他人を助けながら避難することが必要になるため、実際の歩行や階段を使った避難を想定した体力測定を行い、若者と高齢者の体力の違いをデータを示して報告されました。

次に、大阪市立大学大学院工学研究科の谷口与史也教授より、「地震と建物」と題して、地震の時に建物に加わる力について、数式や図面を交えながら説明がありました。地震に対する建物構造としての「免震」と「制振」の違いや特徴について、さらに簡単な力学モデルを用いて、震度と家具の転倒の可能性について説明されました。そして、歴史的建造物である五重の塔は軽量であることと、構造が柔軟で揺れを逃がす構造であることで、地震で倒壊することなく今も存在していることを説明されました。

次に、大阪市立大学生活科学研究科の由田克士教授より、「災害時の食事」と題して、救援物資が届くまでの間に必要な食料・水について説明がありました。災害時の食料として、長期保存が可能な災害時用食品のみを備蓄するのではなく、日頃利用している食料をうまくストックして利用するコツ(ローリングストック)について説明されました。また、救援物資を市町村等の自治体に頼るのではなく、各家庭で準備する必要性があること、都会やマンションでは備蓄の場所が不足するため、一部を自治会等でまとめて管理することも考慮すべきとも指摘されました。なお、食料・水の備蓄は1週間分を準備することが望ましく、水については飲料だけでなく煮炊きにも使用するため、一人当たり21リットル/週も必要であることが説明されました。

最後のパネルディスカッションでは、事前に頂いた質問事項について、各講演者から回答され、①災害に備えて普段持ち歩いている物として、携帯電話(スマホ)、ホイッスル、ライトなど。②耐震・制震・免震の比較解説とともに、制震がバランスのとれた工法であること。③市民レベルのネットワークの構築の方法。④体力の維持・増進方法として、日常の簡単な方法(静的トレーニング)と、簡単な体力測定法(椅子での座り立ち等)を会場全体で体験し、参加者全員が”防災力“について理解しました。

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パネルディスカッションの様子 椅子を使った座り立ち体力測定 備蓄食料の一例の展示